タートル流投資の魔術 伝説のトレーダー集団

サブプライムショックのあった2007年に出版された本で、いままでずっと気になっていたけど読んでいなかった本でした。

私自身は長期投資ということを意識して投資をしていますが、ここに出てくる話はトレード、つまり比較的短期の売買をする話です。しかし、その本質は長期投資にも通じる話だと感じましたし、おすすめしたいと思えるいい内容だったと感じています。

「魔術」なんて言葉がタイトルについていいるせいか、とても高度なトレーディング技術がこの本に詰め込まれているのではないかと思ってしまいますが、トレーディングシステム自体はシンプルであるべしとの教えです。

むしろ、そのシステムを信じ使い続けることの大切さを説いています。

話は単純で、長期的に利益が期待できる(本の中ではエッジ(優位性)と言っています)システムを、システム通りにひたすら続けることだけです。

しかし変な話ですが、これが不可能だと感じるくらい難しいことで、また、そのことの大切さを理解している人がほとんどいないというのが現実です。

短期売買だけの話ではありません。長期投資家として有名なウォーレンバフェットも「いい企業を、いいタイミングで買って、可能な限り保有し続ける」ことだと言っています。

これも見方を変えれば、非常にシンプルな1つの売買システムです。

なぜ、そのシステムが長期的に利益をもたらす優位性を持っていることをわかっているのに実行できないのか、またシンプルで簡単なことなのに、なぜそれが続かないのか。

そこに相場の不思議が詰まっていて、伝説と呼ばれるようなトレーダーや投資家が生まれるポイントなのかもしれません。

この不思議は、自分で実際に取引をしてみないとわからないことかもしれません。また、そういった不思議が起こることを意識していないと気が付けない事なのかもしれません。

そんな不思議を物語のように体験させてくれているような話でした。

本の中で、トレーディングをボクシングだと言っている記述がありました。

この話、凄く分かる気がします。

2016年11月、日本のボクシングの一時代を作ったと言えるような世界王者、長谷川穂積が引退しました。その時の理由に「気持ちを作るのが難しくなった」と言っていました。

ボクシングというスポーツを見ている側としては、パンチをかわすディフェンスとか、一発でKOするようなパワーや、スピードなどに注目がいきやすいかと思いますが。試合をしている側からすると、体力や技術などよりも、おそらく一番大切なのは「気持ち」だということかもしれません。

トレーディングや投資で失敗する理由も、「気持ち」による部分が非常に大きいと思っています。

どんなに高度なトレーディング技術を学んでも、その技術を使いこなせるようになるために絶対必要なツールが「気持ち」です。「人に自分の投資法などについて話をしても、ほとんど意味ないんだろうな」なんて、なんとなく疑問に感じていたことの理由が、この本を読んではっきりしました。

投資やトレードに関する「気持ち」、正しくは「投資家心理」。専門的な言葉を使うと「認知バイアス」。

投資やトレードで成功するためには、これを認識し、いかに制御できるのかに尽きるのだと、この本は教えてくれています。

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