いろんな資産に分散投資する意味って?

投資信託などを選ぶときに、株式や債券だけでなく、不動産や金などのコモディティとかにも幅広く分散投資されたものがあります。こういった1つの資産だけでなく複数の資産を組み合わせて運用している投資信託をバランスファンドと言います。

最近では、株や債券などの伝統的資産だけではなく、ヘッジファンドやプライベートエクイティなどのオルタナティブと言われる分野にまで分散して投資しているバランスファンドをよく見かけるようになりました。

また以前は、バランスファンドと言えば、資産配分を一定を保つものが多かったのですが。ここ最近ではファンドマネージャーが投資環境に応じて資産の配分を見直すものが主流になりつつあります。

さらに言えば、ロボファンドと呼ばれるものも出てきて、資産配分をロボット(プログラム)が自動で行う投資法なども出てきました。

運用成績の8割を占めると言われている資産配分(アセットアロケーション)ですが、ここまで多様化してくると何がいいのかわからなくなってきます。


そもそも分散投資の目的は?

分散投資の目的は、リスク(不確実性)のコントロールです。そして、重要なことは、分散投資をしたからと言ってリターンが向上するわけではないということです。むしろ分散投資をすることによってリターンが下がることの方が多いです。

分散投資と相関関係

分散投資によるリスクのコントロールについては、各資産間の相関関係が影響してきます。

相関関係とは、株式がプラス1動いたときに、債券がマイナス0.5動くなどのことを言います。この場合、株式と債券の両方を保有していたとすると、ポートフォリオ(株式と債券を合わせた全資産)全体では株式と債券で値動きを相殺しあうことになり、株式100%保有するよりも資産全体の変動を抑えることができることになります。

このような相関関係を数値化したものを相関係数といい、プラス1からマイナス1の間で表されます。プラス1が全く同じ動き、マイナス1が真逆の動き、0が全く値動きに関係性が見られない状態を意味します。

分散投資をするときには、この相関係数ができるだけマイナスとなる資産を組み合わせることで、リスクをコントロールしています。


分散投資と集中投資

分散投資の反対には集中投資があります。

資産をできるだけ増やす。リターンの最大化を目標とするのであれば、分散投資をするよりも集中投資を行うほうが理にかなっています。

また、資産配分を投資環境に合わせて変更するような投資信託となると、常に一定の資産配分を守る投資信託よりも手数料が高くなる傾向にあります。分散投資によってリターンを下げているのに、さらに手数料まで高くなってしまうのは、資産形成とってマイナスであると言えます。

投資の神様と言われるウォーレン・バフェットは、分散投資と集中投資について、「分散投資は富を守り、集中投資は富を築く」と言いました。

この話を信じるのであれば、資産形成期間はできるだけ集中投資を行い、資産を築いてから分散投資に移行するべきなのかもしれません。


集中投資でも長期投資を行えば、リスクは軽減される。

将来的に高いリターンが期待できる投資先であれば、短期的にどんなに大きな変動が起ころうとも、時間の経過とともに、期待値に収束して行くことになります。

実際に、日経平均225に連動させることを目的としたインデックスファンドの「ニッセイ日経225インデックスファンド」は2004年1月から2016年12月までの約13年間に基準価格は10,000円から20,775円にまで上昇しています。当然その間には、あの100年に一度と言われた金融危機、リーマンショックの時期も含まれています。

日経平均225株価指数はそれほど上昇していないのになぜ?と思うかもしれませんが、株式からの配当金などを複利で運用することによって、長期的には資産を大きく増やすことが可能だということです。

ただ、集中投資の最大の問題点は、価格変動が激しいため、大きな損失を抱えていることに耐えられなくなり、途中で辞めてしまうことが多いことです。

集中投資で資産を築きたいのであれば、最低でも10年間はどんなことがあっても我慢する覚悟が必要です。


それでもバランスファンドを選ぶ理由

長期投資を行う中で必ず訪れるであろう、資産価格下落による含み損に耐えられる自信がない人向けの投資信託が各資産に分散投資をするバランスファンドだと言えます。

バランスファンドの選択基準

金融商品の中で最も、高い利回りを期待できるものは、株式投資です。つまり、投資をする上で基準とするべき資産は株式が一番だと考えています。

株式を中心に、組み入れる資産の株式との相関係数などを見ながら、資産配分を選択するといいと思います。

株式が持つ価格下落リスクに、自分がどれだけ耐えられるか、株式が持つ期待リターンをどれだけ減らしても問題ないのか、に合わせて資産配分ポートフォリオを考えてバランスファンドを選ぶということです。

ファンドマネージャーやロボット(プログラム)による資産配分の変更は必要か?

個人的には、必要ないと考えます。それよりも、そういった機能を持たせることで信託報酬手数料が高くなってしまうことの方が問題だと考えます。

長期投資にとって、信託報酬手数料は最大の敵です。

それに、資産配分の変更をせず、常に資産配分が一定に保たれているということは、価格が上昇し保有割合が多くなった資産を売って、価格が下落し資産割合が減った資産を買うということが自動的に行われていることになります。投資の基本はシンプルです。「安く買って高く売る」です。

わざわざ、資産配分を変更しなくても、それだけの機能があるだけでも十分なのではないかと思います。

ちなみに、ウォーレン・バフェットが推奨しているポートフォリオは「現金10%、S&P500インデックスファンド(米国の株価指数)を90%」と言っています。

過度な分散もなく、高度な投資配分戦略もありません。

将来的に高いリターンが期待できるところへ長期投資を行っていれば、投資なんて特別難しいことでも高度なテクニックを要求されるものでもなく、意外とこの程度のことで十分だということです。


田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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