確定申告と国民健康保険料の落とし穴?

年も明け、もうすぐ確定申告の時期が近づきつつあります。

確定申告と言えば、所得税のことを思い浮かべるかと思いますが、今は、所得税よりも国民健康保険の方が重荷に感じている人が多いのかもしれません。

実は、あまり意識されていないかもしれませんが、確定申告書を提出することで、国民健康保険にも影響が出てきます。


確定申告書の数字から国民健康保険の保険料が決まってきます。

会社で社会保険に加入している人には関係のない話ですが、自営業者や年金受給者など社会保険に加入していない人は、確定申告で計算した所得を基に、国民健康保険の保険料が計算されています。

税務署に提出した確定申告書は、税務署を通して、市町村にも提出されることになります。そして市町村では、提出された確定申告書から、住民税や国民健康保険料を計算することになっています。

国民健康保険の計算方法は、確定申告書の所得金額から始まります。

所得税や住民税との違いは、生命保険料控除や社会保険料控除などの所得控除がないところです。

所得税や住民税の計算をするときには、所得控除を大きくしようとして、生命保険や地震保険の控除を使ったり、確定拠出年金などに加入して社会保険料控除を増やしたり、ふるさと納税などで寄付をしたりする他、住宅ローンを組んで、住宅借入金等特別控除を使って税額を減らしたり(税額控除)ということをします。

しかし、国民健康保険の計算上は、これらの努力は何の役にも立ちません。

これらの所得控除や税額控除を行う前の所得金額しか、国民健康保険料の計算には影響しないからです。

国民健康保険の税率は、各市町村によって違います。また、計算方法も微妙に違っていたりします。

基本的には、所得の金額と世帯構成が計算式の主な要因となります。


節税のつもりが逆に、国民健康保険料を高くしてしまう?

株式や投資信託の配当金が結構な金額であったので、配当控除を受けようと確定申告をしたら、国民健康保険料が上がった。なんてことが考えられます。

株式や投資信託の配当金については、源泉分離課税を選択していれば、配当金を受け取ったときに課税関係が終了するので、確定申告で申告する必要はありません。

しかし、所得税や住民税上では、配当控除という制度を使うことで有利になることがあるので、わざわざ確定申告をする場合があります。

具体的には、配当所得を含めて所得金額が330万円以下の場合には、配当控除を使った方が有利と言われています。

証券会社で源泉徴収ありで口座を作っていた場合、配当金を受け取ったときに、自動的に税金を約20%引かれて受け取っています。ですが、きちんと税金を計算するとそこまで税金を納める必要のない人がいます。それが、所得金額330万円以下の人ということになるわけです。そこで確定申告をすることで、納め過ぎた税金を還付してもらうというという手続きをするわけです。

しかし、これをやってしまうと、配当金を所得金額として加えなくてはいけなくなります。

つまり、所得金額が増えることで、社会保険に加入していない自営業者や年金受給者などは、国民健康保険料が増加することになってしまうということです。場合によっては、国民健康保険料の増加で、節税した分は帳消しになってしまうことも考えられます。

似たような形で、扶養の配偶者が、同じように配当金や株式の売却に係る税金などを還付してもらおうとしたケースも考えられます。

所得税には38万円、住民税には33万円の基礎控除があります。つまり、年間の収入の名目が何であろうと、それ以下の金額であれば税金を納める必要がないということです。なので、例えば年間に配当金を20万円受け取って、税金を4万円源泉徴収されていたとしたら、他に収入がなければ、確定申告をすることで、その4万円は全額戻ってくることになります。

しかし、国民健康保険の計算上は、配偶者に20万円の所得があったということになり、国民健康保険料がその分増加することになってしまいます。

他にも、いくつか同じようなことになるケースが考えられますが。

目の前の税金だけを気にしていたら、こんな落とし穴もあるといういい例なのでしょう。

それでも確定申告で税金を減らした方がいいのかどうかは、実際に計算して確かめてみないとわかりませんが、取り合えず注意しておいた方がいいのかもしれません。

とにかく面倒な話ではあります。

これは、私見ですが、税金の専門家である税理士ならばここまでのことを考えて計算してくれるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、それは税理士に期待しすぎだと思われます。

おそらくほとんどの税理士が税金以外のところまで気にしてみている人はいないのではないかと感じてます。

税理士事務所に約10年ほど勤めていた経験があっての印象ですから、ほぼ間違いないのではと思っています。


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