投資と投機の違いとは?

賢い投資家は投資を行い、逆に負けている投資家は投機を行っていると言われることがあります。

この話だけを聞いてしまうと、投資は正しく、投機は間違いだと思うかもしれませんが、正直どちらが正しいというわけではないと思います。

ただ、投資と投機は同じ株式相場であっても、戦っている場所が全く違うだけと考えています。


投資と投機

投機と聞くと、一般的にはデイトレーダーなどの短期売買を意味することが多いです。それに対し、投資は、優良な企業の株を長期間保有することだと言っていたりします。

ですが、投資も投機も「安く買って高く売る」ということは同じであり、本質的にはどっちも同じことだと言えます。

ただ一つ違うかもしれないと感じるところは、投資と投機では、「安く買って高く売る」の値段の考え方の基準なのかもしれません。


投資は価値を、投機はリスクを

投資が取引の基準とするものは、そのものの価値です。

本来もっと価値のあるものが安かったから買う。将来もっと価値がでそうだと思ったから買う。といったものが取引の基準になっていると思われます。

ちなみに、前者の考え方はバリュー投資、後者はグロース投資と言われています。

投機はリスクを取引しています。

リスクとは不確実性のことをいいますが、わかりやすく言えば、値動きを取引するということです。

株式市場は、株式の価値とは関係なく価格が動いています。

そう考えなければ、毎日毎日値段が動くこと自体おかしなことです。もっと言えば、毎分、毎秒動いていたりするわけです。企業の価値は、そんな数分間、数秒間で変化するものなのでしょうか?


投機が取引するリスクとは

リスクとは値動きだと言いましたが、なぜ株式市場の株価は、価値とは関係なく価格が動くのか。

その理由の9割は、おそらく市場の心理だと思われます。

つまり、投機とは市場心理を読んで取引していると考えられます。その市場心理を分析するツールがチャートと呼ばれるもので、有名なものではローソク足チャートなどがあります。

よく、チャートは意味がないなど否定的な意見を言う人がいます。おそらくその人たちは投資をしているからなのかもしれません。投資が取引するのは価値ですから、チャートを見ても価値はわかりません。ですが、チャートを見ていると、なんとなくですが市場の心理状態がそこに表れているように感じてきます。

ちなみに、市場心理とは、株価が上がって舞い上がっているとか、株価が下がって落ち込んでいるとか、先行きに楽観的になっているとか、悲観的なっているとかです。つまり、市場も人と似たような心を持っていると考えられています。

偉大な投資家として有名なウォーレン・バフェットの先生と言われているベンジャミン・グレアムという人がいますが、グレアムは、株式市場をミスター・マーケットと言い、株式市場を擬人化して説明していました。実際に、市場の動向を見ていると、そこにはまるで、一人の人がいるかのような感覚になります。

そして、このミスター・マーケットという言葉はグレアムだけでなく、バフェットはもちろんですが、他にもいろんな投資家がこの言葉を使っています。つまり伝説級の投資家たちも、市場には心理があり、人のような行動をとると感じているということだと思います。

つまり、投機家とは、市場の行き過ぎた感情などを読み取り、楽観的すぎると感じれば売り、悲観的過ぎると感じれば買うことで、市場の値動きを利益に替えていると考えられます。


投資と投機どちらを選べばいい?

投資も投機も、どちらにも正しいと思える理屈があることがわかりました。そうなると、どちらの方法をとった方がいいのかがわからなくなります。

結論から言えば、自分のやりやすい方ということになるかと思います。自分の性格や考え方、リスク許容度などから、どっちの方が向いているかで選ぶことだと思います。

本当ならば、投資と投機の両方を使いこなせるのが一番良いのかもしれません。しかし、投資と投機では必要とされている精神面での負担とか、その方法に合っている性格、取引手法などが全然違ってくることが多いため、投資と投機の両方を行うことは、かなり難しいことだと思います。

それと、よくエグゼクティブは投機家ではなく投資家に多いなんて言われていることがありますが、おそらく運用資産額によるものなのではないかというのが私の思うところです。運用資産額が多くなってくると、おそらく投機をやるよりも投資をやったほうのが効率がいいからなのではと思うからです。投機で資産を作り、資産が増えるにつれ、運用方法が投資になっていったというパターンも考えらそうです。

投資と投機で気を付けるべきこと

投資のスタイルなのに投機の方法を多用するとか、投機のスタイルなのに投資の方法を多用するようなことは避けるべきだと思います。周りを見ていると、投資と投機の手法をごちゃまぜにして、この人はどっちのスタイルで取引をしているのだろうと思うことがあります。

例えば、

1日とか1週間とかの短期売買で取引を行っているのに、チャートではなく、企業価値分析のPERとかPBRとかの数字で取引している。(割安株の株価が本来の価値に追いつくのが、いつになるかは誰にもわかりません。1週間後か、はたまた数年後か、それは不明です。)

バイアンドホールド(買ったらほとんど永久放置)している人が、PERなどの投資指標よりも日足チャートを見て買いのタイミングを計っている。(取引の基準となる期間が違いすぎます。金融ショックなどで暴落したりしたら、日足ではあてになりません)

短期売買のつもりでチャートを見て買ったのはいいけど、予想を外し株価が下落していくのを見ながら損切りできず、いつか企業業績は良くなるはずという期待を抱いて塩漬けにしてしまう。(買った時の企業価値が割高だったときによくやりかねない?)

こういったことは、投資と投機は、取引する土俵が違うんだということをよく理解していないため、何を基に利益を稼ぐのかを抑えていないことで起こるのではないかと思います。

投資に向いている人

・農耕型の人、たとえ嵐や台風が来ても、じっくりと作物が育つまで耐えて見守れるタイプ。

・めんどくさがりで、あまり相場の動向を気にしたりしない人。

・焦って行動したりせず、自分にとって有利な条件が整うまでじっくりいつまでも待てる人。

・大多数の人と正反対の立場をとることも平気な、変わり者タイプ。

投機に向いている人

私自身、投資タイプなので、よくわかないところもありますが。おそらく、

・判断や決断、そして行動が早く、優柔不断ではない人。

・失敗したと思ったら、すぐに訂正でき、特にその時に損をしても動じたりせず動ける人。

・周りの様子などから、雰囲気や人の感情などを読み取る勘の鋭い人。

・冷静沈着、嫌なことがあったり、嬉しいことがあったりしても、惑わされず感情を押し殺せる人。




田仲 幹生

ⅭFP(ファイナンシャルプランナー)資格認定者、1級FP技能士、個人投資家

外資系の生命保険会社で営業を行い、後に税理士事務所に勤務、2016年から今までの経験を生かしながら、投資活動および資産形成を主な目的としたFP業を行っていきたいと思い独立。

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