ワンルームマンション投資が生命保険に?

不動産投資に注目が集まっている今ですが、中でもワンルームマンション投資は初心者にも始めやすいこともあり、不動産業者も積極的になってきているように感じます。

最近では、投資目的ではないようですが、三菱地所がワンルームマンションに参入なんて話題もありました。

そんなワンルームマンション投資のメリットの一つとして生命保険の代わりになるという話もありますが、その点には少し疑問に思うところがあります。


ワンルームマンション投資って?

不動産投資と言えば、一棟もののアパートやマンションを購入して入居者からの家賃収入を目的にしたり、将来値上がりした時に売却して収入を得たりといったことをしています。

その中でもワンルームマンション投資は、名前の通り、マンションの一室だけに投資する不動産投資のことです。

メリットとしては、一棟で購入するよりも少額で始められたり、マンションの管理組合が建物の維持管理などをしてくれるため、不動産管理のノウハウがなくても運営ができることなどがあります。

株式投資でいうところの投資信託のような商品であり、不動産投資の入門編といった感じのものです。


ワンルームマンション投資のメリット

ワンルームマンション投資は

1、比較的少額で始めることができる。

2、管理会社が維持管理してくれるため手間がかからない。

3、流動性が高い。つまり買い手が付きやすく売却しやすい。

と言われています。特に少額で始められるというメリットは、複数の物件を所有しやすくなるので、地域の分散(分散投資)がしやすいという効果があります。地域リスクについて不安に感じている人にとっては大きなポイントかもしれません。

ただし、ワンルームマンションには家賃と比較して維持管理費が高いという欠点があります。そのため収益性がほかの不動産投資に比べると落ちるところがあります。

ワンルームマンション投資をお勧めしている不動産業者は、

1、老後に年金のような収入を準備できる。

2、預貯金などよりも利回りが高い。

3、インフレ対策になる。

そして

4、生命保険の代わりになる

といううたい文句でワンルームマンション投資をお勧めしています。

ただ、実際にワンルームマンション投資を始めてみると、これらのうたい文句に少し疑問を感じるところがあります。


ワンルームマンション投資は生命保険の代わりになるとは考えない方がいい?

なぜワンルームマンション投資が生命保険の代わりに?

ワンルームマンション投資を始める時に、融資を受けて始めるというケースがほとんどなのではないかと思います。

ワンルームマンション投資で融資を受ける時も、自宅の住宅ローンを組む時と一緒で、団信(団体信用生命保険)に加入することが一般的です。つまり、もし世帯主が万が一亡くなった時には(不動産の購入者が世帯主の時)、投資用不動産に対するローンがなくなるので、購入したワンルームマンションを遺族に残すことができることになります。

そして、そのワンルームマンションはその後も家賃を生み出してくれるので、遺族は年金のように家賃を受け取り続けることができると言われています。

これが、不動産投資が生命保険の代わりになるとされている理由です。

ワンルームマンション投資生命保険の盲点?

ワンルームマンションは、名前の通り1室だけです。これが生命保険として信用しきっていいのかどうかの問題点です。

入居者がいれば、家賃を受け取れますが、いなければ受け取れません。つまり、1室しかないので、収入は0か100かの2択になってしまいます。

複数の部屋を持つ一棟買いならば、0になることはほとんどないのかもしれませんが、1室ではやはり心もとない感じがします。

また、マンションの管理費や修繕積立金は、たとえ入居者がいなくても発生することになりますから、入居者がいなくなった時には、0どころかマイナスになることになります。

これでは生命保険の代わりになるとはとても言えないのではないかと思います。

(まぁサブリースという方法もありますが、それだとかなり利回りが低下することになってしまう恐れがあります。)

そうならないためには、複数の物件を所有して、分散投資をする必要があります。つまり1,2室入居者がいなくなっても、管理費等の負担でマイナスにならないようにする必要があります。

そうなると、買ってはいけないと思われる物件は、新築のワンルームマンションです。

新築ワンルームマンション投資の場合、業者にキャッシュフローシミュレーションを作ってもらうと、キャッシュがマイナスになっていることがあります。

『家賃収入 - 諸経費 - 借入金の返済と利息 = マイナス』 という感じです。

しかも不動産業者は、それを相談者に堂々と見せて来たりするので、ちょっとびっくりなのですが、業者の言い分としては、所得税等が節税になるので、税金の還付を合わせればトータルでプラスのキャッシュですと言ってきます。

しかし、不動産を複数所有するようになるためには、物件そのものでキャッシュフローをプラスにしておきたいところです。

なぜなら、1つの物件でキャッシュが手元に残せれば、それを頭金に物件を増やしていくことが可能だからです。

そうやって、2、3、4つと物件を増やしていって、やっと生命保険の代わりになってくるのではないでしょうか?

さらに新築のまずいところは、中古物件よりも値段が高いため、融資額も大きくなることです。年収等が高く、人より多くの融資が受けられる人ならばいいのですが、1つの物件で融資限度額になってしまいましたでは、さすがに困ります。

キャッシュフローがプラスになる(融資の返済が終わるころ)までになってやっと次の物件を購入できるなんて話では、時間がかかりすぎます。


『ワンルームマンション投資で生命保険の代わりになる』はあまり過信しない方がよさそうです。

複数の物件を購入して収入が0にならないようにリスク調整をしたり、それなりの頭金を用意して、かつサブリースを使ってでもキャッシュフローがプラスになるようにしたりといった方法を考えれば、確かに生命保険の代わりとして有効なのかもしれません。

むしろ、その方が生命保険に加入するよりも、ずっと効率よくお金を使うことができる可能性があります。

しかし、こういった対策を考えずに、言われるがまま生命保険の代わりになるというのは、少し過信しすぎのような気がします。

結局のところ、保険や投資信託もそうですが、営業の人のいうことをそのまま鵜呑みして行動せず、自分でも判断できるだけのファイナンシャルリテラシーを身につけることが大切ということなのかもしれません。






田仲 幹生

ⅭFP(ファイナンシャルプランナー)資格認定者、1級FP技能士、個人投資家

外資系の生命保険会社で営業を行い、後に税理士事務所に勤務、2016年から今までの経験を生かしながら、投資活動および資産形成を主な目的としたFP業を行っていきたいと思い独立。

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