株式投資の配当収入は不労所得に向かない?

投資で得られる収入には、配当や利息などのインカムゲインと売却益などのキャピタルゲインの2つに分かれます。

年金とか生活費などに使える収入を増やしたいと考えた場合、キャピタルゲインが狙える投資先よりも、インカムゲインを中心とした投資を考えたりします。

株式投資には配当金がありますが、配当利回り率がそれほど高くないため、インカムゲイン向きの投資とはあまり考えられていません。

しかし、長期的視野で考えると意外と使えるものなのかもしれません。


株式の配当利回りは小さい?

日経平均225の配当金利回りの推移をみると、だいたい1%~2%で推移しています。

ただ、リーマンショック直後の2008年から2009年ごろは、2%を上回り、時には、2.7%ぐらいになっていました。

しかし、ほとんどの期間が、1%~1.5%程度だということを考えると、あまり配当金収入は期待できないのかなという感じはします。

仮に、月20万円、年間にすると240万円の収入が欲しいと考えた場合。

240万円 ÷ 1.5% = 16,000万円

つまり、配当金で年間240万円を得られるようにするには、1億6千万円の投資資金が必要ということになります。

これは確かに、なかなか蓄えるには大変そうな金額です。

もし、REIT(不動産投資信託)のように配当利回りが3%ぐらいであれば、その半分の8,000万円で済むわけですから、インカムゲインが欲しくて株式投資というのは敷居が高く感じます。


株価の上昇とともに配当金は増えていく。

株式投資は、今ある元本の範囲で配当金収入を得ようとするのは、確かにあまり現実的ではない感じがします。

インカムゲインを狙った投資であれば、REITや債券を使おうと考えるのもわかります。

しかし、株式投資にはREITや債券とは違う一面があることも忘れてはいけないと思います。

それは、資産価格の上昇です。いわゆるキャピタルゲインです。

なぜ、インカムゲインの話でキャピタルゲインのことが?と思うかもしれません。

例えば、

株式を100万円で購入して、配当利回りが1.5%だったとします。

100万円 × 1.5% = 15,000円

10年後、その株式が200万円に上昇していて、配当利回りが変わらず1.5%だったら。

200万円 × 1.5% = 30,000円

ということになります。

つまり、株式投資は資産価格の上昇とともに、受け取れる配当金の金額も増えていくことが期待できるということです。

債券投資は、元本の価格は基本的に変わりません。利息を受け取るだけなので、利息の再投資をしなければ資産全体の総額は変わることがありません。

REITも同様です。REITは株式のように価格が変動しているので、株式のような資産価格の上昇による配当の増加があるのでは?と思ってしまいますが。

REIT自体が生み出す利益は、利益の90%超を分配することで法人税の課税を回避する仕組みになっています。

つまり、原理的にはREIT内では利益を積立ていないため、REIT自体の資産成長は株式ほどには望めません。(不動産価格の上昇や、家賃収入の増加などによる分配金の増加は考えられます。)

これが、債券やREITの分配金と株式の配当金の大きな違いです。

ちなみに、株式の資産価格が上昇したからと言って、配当金も上昇するものなのか?という疑問を持つかもしれません。

これに関しては、企業があまり配当を積極的に出さなかったりするなど、銘柄別でみるとなんとも言えないところがあるのも事実です。

ですが、長期的には株価は企業の収益を反映していると言われています。つまり企業の収益が増加しているので、株価が上昇している。企業の収益が増加しているということは、配当金を支払う原資も増えているということですから、株価の上昇と配当金の増加は伴っていると考えることができます。

それと、日経平均225を見ると、日経平均225が2倍以上になるような変動をしていても、配当金利回りはだいたい1%~1.5%のあたりを推移していることから、株式市場全体で考えれば、株価の上昇と配当金の増加は伴っているものだと考えられるかと思います。


やっぱり長期投資には株式投資がいい気がします。

たとえインカムゲイン狙いの投資だとしても、長期投資を行うのであれば、株式投資の配当収入が増えていく可能性を考えると、債券投資などよりもいいのかもしれません。

たとえ、1.5%の配当金だとしても、資産総額が3倍になれば、最初に投資した投資元本に対しての配当金は、1.5% × 3倍 = 4.5% になることになります。

キャピタルゲイン狙いとしてもインカムゲイン狙いとしても、株式投資は長い目で見れば、良い投資先なのではないでしょうか?

これからまだまだ数十年という期間で投資をしていく時間のある人は、目先のインカムゲインに惑わされることなく、株式投資を主とした投資戦略を考えるといいと思います。





田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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