海外ETFのCFD、トライオートETFと保有コスト

米国のETFの中で、厳選された銘柄をレバレッジを利用して取引できるトライオートETFという商品があります。

運営している会社はFXなどを取り扱っている上場企業のインヴァスト証券です。

インヴァスト証券は、公的なFXとして有名な『くりっく365』の預かり資産No.1であったり、FXの自動売買サービスとして、『シストレ24』や『トライオートFX』など最新のサービスを次々と展開している企業です。

そんな会社が、昨年サービスを始めたトライオートETFというものがあります。


トライオートETFとは?

トライオートETFとは、米国に上場しているETFをトライオートFXと同じようなシステムで取引できるもので、当然、FXのようにレバレッジをかけて取引することができます。

FXのETF版という感じです。こういった金融商品をCFDと言います。

(そもそもFXとは、CFDの一部で、為替の取引に限定されたものを言います。)

正式には、差金決済取引といい、現物のETFを所有するのではなく、ポジションを保有した時の価格と、決済した時の差額を利益として受け取ったり、損失として差し引かれたりするようになっています。

このCFDですが、かけられるレバレッジが、証券会社の信用取引以上の倍率であったり、取引できる銘柄の幅が広かったり、先物取引のような決済期限もないという、信用取引と先物取引のいいとこどりをしているような金融商品で、使い方によっては、非常に優秀な投資商品です。

トライオートETFは、低コスト?

トライオートETFの取引手数料は無料です。

通常の現物でのETFの売買などでは売買手数料が掛かります。また、海外ETFともなると、為替を円から外国通貨に替える必要があるため、為替手数料も必要になってきます。

つまり、海外のETFを取引しようとすると、売買時の手数料が結構馬鹿にならないということがあります。

その点では、トライオートETFはそれらの手数料が掛からないため、低コストだと言えそうです。

ただし、トライオートETFはFXと同じ仕組みなので、買値と売値の差、スプレッドというものがあり、それが一種の売買手数料のようなものになっていることには注意が必要です。

忘れてはいけない金利コスト

トライオートETFに限らず、CFD商品には金利コストというものが発生します。

商品概要などを見ても、あまり目につかないところで説明されていることが多く、知らずに取引をしてしまうと失敗をする恐れがあります。

この金利コストですが、トライトートETFの場合は、『1.25%+LIBOR』となっています。

他社のCFD商品に比べれば、比較的親切なコストとなっているようですが、それでも結構高く感じます。

 ちなみに、LIBORとは、銀行間取引での金利で、いろんな金融商品を作る上での基準ともされている数値です。

このLIBORは、日々変動しているわけですが、あまり普段見かけるものでもないので、CFDの取引をしていて、今いくらの金利コストがかかっているのかを調べるのに、多少手間がかかります。

この金利コストが高いと、いくらCFDには決済期限がないからと言って、そのまま長期間ポジションを維持してしまうと、利益がほとんど相殺されてしまう恐れがあります。

また、トライオートETFの場合、取引しているETF自体に信託報酬手数料が掛かっていることも忘れないようにしないといけません。


トライオートETFと債券ETFの相性

トライオートETFには、債券ETFの米国ハイイールド社債ETFと投資適格社債ETFという2種類の債券ETFを取り扱っています。

ハイイールド社債ETFは、名前の通り高い金利の社債をまとめた投資信託です。一般的に信用力の低い企業の債券を選ぶことで、高い利回りが得られるようになっています。

対して、投資適格社債ETFは、信用力がある企業の社債を集めた投資信託なので、比較的金利は低くなっています。

トライオートETFを使って、投資適格社債ETFの買いポジションを持てば、信用力の高い社債にレバレッジをかけて安定的に利息を受け取ることができるのではないか?と考えますが。

ここで問題となってくるのが、金利コストです。

1.25%+LIBORということは、2017年1月の時点では、約3%はある計算になります。

投資適格社債ETFの分配利回りも約3%ですから、投資適格社債から得られる金利は、トライオートETFの金利コストですべて相殺されてしまう結果になってしまいます。

金利の受け取れない債券に投資することなんて、ほとんど意味のない行為です。

この話は、投資適格社債に限ったことではありません。

金利コストが高いために、レバレッジをかけて取引するには、リスクとリターンのバランスが悪くなっている可能性が高いです。

結局は、長期投資には向いていない可能性が非常に高いです。

トライオートETFなどのCFD商品は、銘柄の値動きを狙った、短期売買のための金融商品だと考えた方がよさそうです。



田仲 幹生

ⅭFP(ファイナンシャルプランナー)資格認定者、1級FP技能士、個人投資家

外資系の生命保険会社で営業を行い、後に税理士事務所に勤務、2016年から今までの経験を生かしながら、投資活動および資産形成を主な目的としたFP業を行っていきたいと思い独立。

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