為替の影響を受けやすい日本の株価

日本の株式市場は、為替の影響を強く受けてます。

それが原因なのか、日本は世界の景気敏感株と言われるほど、世界経済の影響による変動が大きい市場になっています。

なぜ為替が変動すると株価がこれほど大きく動くのでしょうか?


為替の日本株への影響でよく話にでるのは輸出企業の話ですが・・・。

日本は貿易による収益が大きい国でした。

つまり、日本が世界から輸入する額よりも、世界に輸出している額が大きかったため。

円高 ⇒ 貿易収支の悪化 ⇒ 日本企業の業績低迷 ⇒ 株安

円安 ⇒ 貿易収支の改善 ⇒ 日本企業の業績好調 ⇒ 株高

と考えられていたわけです。

しかし、2011年ごろから貿易収支はマイナスになっており、2016年になってやっとまたプラスに転じてきたような感じです。

つまり、今の日本は以前ほど世界を相手に貿易で稼いでいるわけではないといえます。どちらかというと、今まで世界に投資をしてきたことによる所得収支やサービス収支で稼いでいるくらいです。

貿易収支はマイナスになっても、所得収支やサービス収支などがプラスのため全体として経常収支がプラスになっているという感じです。

これは、日本という国で見ると、もはや貿易で稼いでいるわけではなさそうだということになります。むしろ、輸入するほうのが多いくらいなのかもしれないぐらいです。

一部では「モノづくり日本」と言われていますが、その言葉ももしかするとすでに時代遅れである可能性もありそうです。

今は、生産は他国に任せ、その代わり他国への投資やサービス提供でお金を稼いでいる、投資等で稼ぐ国になっているようにも感じます。

まだ「円安になったため、輸出企業の業績見通しが良くなり、株価指数が上昇した」なんて説明も多く見受けられますが、実際は株価と貿易との間には、すでに強い関係性もなくなっている可能性がある気がします。

貿易が株価に影響しているのだとしたら、過去の株価の値動きの習性がいまだに残っているだけなのかもしれません。


なぜ株価がこれほど為替の影響を受けている?

貿易が株価に与える影響はあまりなくなってきているのでは?と考えた場合。じゃあ今の株価と為替の関係はどう考えたらいいのか?という疑問がわきます。

経常収支と為替

日本国内での消費が伸びない以上、海外からの稼ぎが日本企業にとって重要な点は今でも変わりなさそうです。ですが、すでに貿易収支はプラスになったりマイナスになったりなので、貿易で稼ぐというのは今の時代に合っていない可能性があります。

そして、今の日本は海外への物の販売ではなく、投資やサービスで稼ぐ国になりつつあります。

つまり、この分の利益が為替の影響を受けているということも考えられそうです。しかし、円高になるということは、海外への投資を加速させるチャンスでもあるので、今の日本にとっては、円高=悪という見方は変えないといけないような気がします。

日経平均株価はドルが基準?

日本の株式市場は、半分以上が海外投資家によって取引されています。

そして海外投資家は、日本の株式市場を円ではなくドルで見て取引していることが考えられます。

つまり、円安になっているから株価が上昇している。円高になっているから株価が下落しているというわけではなく、ドルを基準に株価が変動しているため、円建てに直すと、今私たちが普段目にしているような株価の変動になっているという可能性も考えられそうです。

言い方を変えると、円安になって株価が上昇ではなく、株価が変わらないが、円が安くなったので、円を基準にしてみてしまうと、株価が上がったように見える。

円高になって株価が下落したのではなく、株価は変わらないが、円が高くなったので、円を基準にしてみてしまうと、株価が下落したように見える。

という可能性が高そうです。

これは、日本の株式もドルを基準で見る時代になったということなのかもしれません。

金融の世界の基準となる通貨は、やっぱり米ドルです。原油やゴールドなども米ドルを基準に上昇した下落したという見方をしています。

日本の株式も、そういった分類に入ってしまっているのかもしれませんね。


(ドル建て日経平均)

(円建て日経平均)



日本の株式市場の変動が大きくなってしまうのは?

日本の株式市場はドル建てで見るものだという考え方が正しければ。

私たちが普段目にしている日本の株価は、株価の変動に、円という為替の変動の2重のリスクをとっていると考えることができそうです。

だから、米国株など以上に価格変動を大きく感じるのかもしれません。

また、バブル最高値を基準に見た場合、ドル建ての日経平均の方がだいぶ値を戻している感じです。

この間に、ドル/円は約155円ぐらいありましたが、2016年1月では約114円前後です。

このことからも、為替が円高になっているために、日経平均株価が下がっているように感じているのではと思います。

変な話かもしれませんが、日本の株価であっても、ドルを基準に取引したほうのが、本当の株価変動リスクだけの、つまり為替リスクを抑えた低リスクの投資ができるのかもしれません。


田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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