米国REITは、米国株に先行して動く?

『相場は循環している。』

金利が上がると、景気が減速し衰退していき、金利を下がると、景気が回復し好況になる。これは、投資をしている人にとっても、当たり前のような話です。

そして、景気減速時に好まれる金融資産と景気好況期に好まれる金融資産が変わってくるということもよく知られている話です。

そして、株式投資家が気になる、株価下落の時期ですが、株価より先に不動産が先にピークアウト(天井)を付けるという話があります。


REIT(リート)とは?

リートとは、不動産投資信託とも呼ばれ、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとってREITという名前がついています。

仕組みとしては、投資家から資金を集め、運用会社が不動産の購入し、その不動産で賃貸収入を得たり、売却して売却益を得たりしながら運用し、収益を投資家に分配するようになっています。

リートという仕組みはアメリカで生まれました。そのリートの日本版のものを「J-REIT」と呼んでいます。

基本的には、証券取引所に上場されているため、証券会社で企業の株を買うのと同じ感覚で不動産投資ができるといったものです。

リートを使わない、現物の不動産を購入して投資をしようとすると、多くの資金が必要になるので、銀行などからの借り入れをしたりすることもあり、なかなか簡単に始められることではありません。

しかし、リートを使えば、比較的少額から始められるため借り入れを必要とせず、かつ、個人では手が出ないような優良物件にも投資ができたりするというメリットがあります。

また、リートの良さは、分配利回りが高めであること、いつでも株式市場で売却ができること、分散投資が可能なことなどがあげられます。


景気の循環とREIT(リート)

リートは、不動産投資です。不動産投資には融資が大きな影響を与えてきます。

リートを購入している投資家は借入をしていませんが、投資家が投資をしているリート自体は借入を行って運用していることが一般的です。

つまり、リートの運営には、借入の金利がダイレクトに影響してくることになり、それはリートの利回りにも影響してくることを意味しています。

リートと借り入れ金利の関係性が強い以上、金利の上昇はリート価格にすぐに反映されます。

金利が上昇すると、リート価格が下落し、金利が下がれば、リート価格は上昇することになります。

また、金利の変動がリート価格に与える影響の速さは、同じように借り入れをしている企業の株価よりも早く反応する癖があります。それだけ、リートと金利の関係は強いと言えます。

先にも言いましたが、景気が好況になると金利が上昇します。

つまり、その時にリート価格の下落が始まるということです。逆に、景気が減速し金利が下がるとリート価格が上昇するようになります。


REIT(リート)は株に先行する?

株価も、金利が上昇すると下落する傾向があります。

これは、金利の上昇が影響してというよりも、金利が上昇したことで景気が減速することが影響してのことと考えられます。

つまり、

金利上昇 ⇒ 不動産価格の下落 ⇒ 景気減速 ⇒ 株価下落

といった循環が起きていると考えられるわけです。(景気減速と株価下落はどちらかというと、株価下落の方が先にくること多い)

今のような超低金利と超金融緩和の時代にも、この循環が当てはまるのかは疑問の余地もありますが、通常のはこの流れがあるもと思われます。

これらのことから、不動産価格、いわゆるREIT(リート)のピークは株価よりも先に来る可能性が考えられます。


米国REITのピークアウトと株価のピークアウト

米国REIT 1972年11月 ⇒ 米国株 1973年1月

米国REIT 1987年2月 ⇒ 米国株 1987年8月

米国REIT 1997年9月 ⇒ 米国株 1998年7月

米国REIT 2007年1月 ⇒ 米国株 2007年10月

これを見ると、米国REITがピークを付けてから約1年ぐらいで、米国株がピークアウトしているという関係性があるように見受けられます。


米国株のピークアウトはもうすぐか?

2017年1月現在の『iシェアーズ 米国不動産 ETF』を確認すると、2016年7月に85.8ドルをつけて以降は下落しているように見受けられます。

『iシェアーズ 米国不動産 ETF』とは、Dow Jones U.S. Real Estate Indexを対象指数とし、対象株価指数に連動する投資成果を目指している上場投資信託(ETF)のことです。

REITだけでなく不動産所有会社や開発会社なども含まれているため、純粋なREIT指数とは言えませんが、ほぼREITと考えてもそれほど違わないかと思われます。

『iシェアーズ 米国不動産 ETF』は、2017年2月1日で、76.13ドルになっています。

率にすると約8.9%の下落です。

もしこのまま下落が続くようであれば。

先ほどのケースを参考にすると、2017年7月までに米国株もピークアウトする可能性があることになります。

『相場ローテーションを読んでお金を増やそう(岡崎良介著)』では、

『法則① 米国REIT(不動産投信)指数が高値から15%以上下落すると、その時点から1年以内に、米国株は高値から20%以上の下落となる。』

と言っています。

まだ下落率が8.9%なので、15%には及びませんが、なんとなく気になる法則です。

米国株の下落は、日本のみならず世界の株式市場に影響を与える話ですから、注意してみておくといいのかもしれません。



田仲 幹生

ⅭFP(ファイナンシャルプランナー)資格認定者、1級FP技能士、個人投資家

外資系の生命保険会社で営業を行い、後に税理士事務所に勤務、2016年から今までの経験を生かしながら、投資活動および資産形成を主な目的としたFP業を行っていきたいと思い独立。

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