生命保険は基本的に損をするようになっている。

生命保険に限った話ではないですが。

保険と言われるものは、基本的に買う側が損をするようにできています。

保険を選ぶときには、その辺の知識も持っているといいように思います。



株式投資などに対する保険、オプション取引。

普段接することの多い、生命保険などについて考える前に、保険という取引がどうなっているのかを考えてみます。

そこで、第三者が介入していない(注文を成立させる証券会社等はありますが)、相対取引で成立しているオプションの仕組みから考えてみたいと思います。

オプションとは

オプション取引は、非常に難しい取引です。

株式投資などをやっている人にとっても、近づきがたいと感じるほどのものです。

簡単に言うと、保有株式の値下がりに対して保険を掛ける行為がオプションです。

オプションには、プット・オプションとコール・オプションの2種類があり。

さらに、プット・オプションを買う人と売る人。

コール・オプションを買う人と売る人。

といった感じで取引がされています。

ざっくり言えば。

プット・オプションが、相場の下落に対する保険で、コール・オプションが、相場の値上がりに対する保険というイメージです。

プット・オプションを買う人は、相場が下落した時に、保険金を受け取れる保険に加入し保険料を支払っている感じで。

プット・オプションを売る人は、プット・オプションを買う人の要望に答えるようにプット・オプションを売っていることになります。

コール・オプションは、買う人が、さっきとは逆の相場の上昇に対する保険。売る人がそれに答える人。といった感じです。

オプション取引を調べると、実際はもっと複雑な取引で、いろんな戦略や買い方、売り方があるわけですが、ややこしくなってしまうので省きます。

要は。

プット・オプションを買う人の中には、今自分の保有している株式が下落するリスクに備えて、保険料を払って保険に加入しているイメージで取引している人がいるということです。


オプション取引は売り側が有利?

プット・オプションを、今保有している株式の値下がりリスクから守るために買っている場合のイメージで考えると。

保有している株式が、今までの相場で含み益が出てきて、それなりにプラスになってきました。

そうなると、こう考えることがあります。

次の下落相場で今の資産残高(含み益)をできるだけ減らしたくない。

含み益が出ているんのだから、多少コストがかかってもいい。とにかくいつ来るかわからないけど、次の下落相場に耐えられるようにする方法はないものか、となったときに。

プット・オプションを購入します。

プット・オプションは相場が下落した時には、まるで保険金を受け取るかのように価値が上昇します。

プット・オプションの購入に係るコストは、最初に支払う価格のみです。

もし、相場の下落がなく、そのまま相場が上昇することになっても、それ以上のコストは発生しません。

といった仕組みになっています。

つまり、プット・オプションを買う側は、損失が最初の購入金額に限定されていて、利益は下落すればするほど無限大に大きくなっていくことになります。

対して、プット・オプションを売る側は、利益はプットオプションを最初に売った価格に限定されていて、損失は相場が下落すればするほど無限大になることになります。

こうなると、プット・オプションを売る側は無限大の損失リスクに対応するために、それなりのプット・オプション価格を提示してくることになります。

そうしないと割に合わないわけです。

プット・オプションの買う側は、もしプット・オプションに支払ったコストが返ってこなくなっても、保険という意味での目的は享受しているわけですが。

プット・オプションの売る側は、利益を手にできなければ、無限大の損失リスクを受け入れるだけのハイリスクな取引になるので、誰もプット・オプションを売ろうとしないことになってしまいます。

これが、オプションプレミアムと呼ばれるものの仕組みと考えられます。

つまり、オプション取引に関しては、オプションを売る側が得するような仕組みでないと取引が機能しない可能性があると考えることもできるわけです。



生命保険などの保険商品も理屈は一緒?

生命保険などの金融商品も、保険料を支払って、万が一のリスクに備えるという発想は似ています。

つまり、オプション取引も、生命保険などの保険商品も、利益の仕組みはほとんど変わらないものと考えられます。

さらに言えば、オプション取引は、買う人や売る人、それこそ多くの人々や機関投資家達が市場に参加することで、適正な取引価格になるように市場原理が働いていると考えられますが。

私たちが普段接している保険商品は、売る人優位なところがある気がします。

実際に、生命保険という金融商品に係るコスト、言い換えれば手数料は、保険料の内でかなりの割合を占めています。


生命保険は損をする商品。

オプション取引から考える保険という仕組みを考えれば、保険料を払う方(プット・オプションを買う方)は、保険金を支払う方(プット・オプションを売る方)よりも、損をする可能性が高いことになります。

さらに、生命保険などは保険販売の手数料などが加わりますから、さらに損をする可能性が高くなります。

これは、ギャンブルにも似ています。

オプション市場は、買う人と売る人の利益の総和が0の、ほとんどゼロサムゲームです。仲介などの手数料はかなり低くなっています。

ですが、生命保険などの保険商品は、それなりの仲介手数料などが発生するため、買う人(保険に加入する人)と売る人(保険会社)の利益の総和がマイナスの、マイナスサムゲームになっていると想像できます。

マイナスサムゲームの代表例は、競馬や宝くじ、パチンコといった部類が該当します。

さらに言えば、保険会社はきちんと決算で利益を出してきていることを考えると、保険加入者だけが、みんなでマイナスサムの利益を取り合っている構図になっているのかもしれません。

つまり、生命保険などといった保険商品は、仕組み的にもコスト的にも、保険加入者にとっては損をするようにできていると考えることができるわけです。


生命保険には加入しない方がいいのか?

結論から言えば、加入せずに済むのであれば、加入しない方がいいと言えます。

ただ、万が一のリスクがあることは間違いないので、加入せざるを得ないというケースがほとんどだと思います。

そこで、あえて言うのであれば。

必要以上の保険資産は持たない方がいいということです。損するとわかっている金融商品をたくさん持つ必要はないと言えるでしょう。

中には、貯金と言って終身保険などに多くのお金を使って、その他の金融資産での貯蓄がほとんどできていない人もいたりします。

確かに、保険の営業が持ってくる保険設計書などを見ると、元本は戻ってくるように見えたり、損はないように見えたりしますが。

保険という仕組み自体が損をする仕組みである以上。得することは決してないのだということを頭に入れておくことだと思います。

保険以外の金融資産をあまり知らないため、保険が一番いいように見えているだけということも考えられます。

原理原則が損をするようになっている以上、過信は禁物だと思っています。

保険に加入する時には、これらのことも頭に入れて判断するようにした方がいいと思っています。

田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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