いろんな資産に分散投資することを勧めるのはなぜ?

ファイナンシャル・プランナーやプライベート・バンカーなど、資産運用を教えてくれる人のほとんどが、いろんな資産に分散して投資をすることを勧めてきます。

先日も、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)と呼ばれる証券会社の仲介として、お客様に証券の販売などを行う人の話を聞いてきましたが、やはりいろんな資産に分散して投資することを勧めていました。

確かに、資産運用と言えば分散投資。そして、いろんな資産に分散することで、ポートフォリオ全体での価格の変動を抑えられるというのは本当のことだと思います。

しかし、分散投資は、決して資産を増やす目的ではないということが十分に伝わっていないのでは?という気もしてきました。

分散投資の本当の目的は、資産保全です。

資産保全、つまりインフレや国や銀行の破たんなどから、資産を減らさず守るということです。

しかし、このことについて疑問に思うこともあります。

ある程度若い人にとっては、資産を守ることよりも、資産を築いていくことの方が重要なのでは?

または、リスクのある運用をしてまで、守らなければいけないほどの多額の資産を持っているのだろうか?

ということです。

つまり、いきなり資産保全の方法を教えるよりも、まずは資産形成の方法を教えることの方が先なのではないか?

資産がある程度形成できて来たところで、保全策を考えるべきなのでは?

ということです。

どうも、ファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家と言っている人たちの中には、分散投資の目的が資産保全だという所を飛ばしてしまって、資産運用=分散投資だと考えている人が多いように思えてきます。

資産を形成するには、分散投資ではなく集中投資が必要です。

リスクは高くなりますが、長期投資をすることで、大きく資産が育つ可能性が高いところに、できるだけ多くの割合を投資することが重要です。

そして、資産が大きく育つ可能性が高く、かつ一番投資しやすい先が、株式投資になります。

株式=ギャンブルというイメージを持つ人が多いですが。

本当であれば、株式の保有割合をできるだけ高めに設定して運用していく方がいいと考えています。

そして、リスクに対しては、ドルコスト平均法(積立投資)などの投資手法やバリュー投資などの投資戦略をつかってリスクコントロールをしていくことを考えた方がいいと思っています。

ですが、お客様に対して、投資手法や投資戦略のことを伝えるというのは、結構難しいことだろうなと思うところもあり。

結果的に一番無難な、いろんな資産に分散投資するという結論に至ってしまうのだろうなと感じています。

投資で一番大切なことは、続けることと失敗してもあきらめず、その失敗を生かし投資手法や戦略を改善していくという行為です。

これを伝えることを事業として行い収入を得ようとする行為は、労力とお金が釣り合わない可能性が高いです。

なぜなら、投資手法や戦略を改善するにも、失敗を繰り返さないとどう改善したらいいのかわかりません。

つまり、投資手法や戦略を確立させていくためには、お客様に何度も失敗を経験してもらわないと先に進めないことになります。

失敗と成功を繰り返すことで、リスクに対する精神的な耐性もついてくることでしょう。

しかしそれまでは、失敗するたびに、文句を言われることもあるでしょう。

失敗して、もうやめたいと言っているお客様に、ここが踏ん張り時です!とはっぱ掛けないといけないときもあるでしょう。

単純に考えれば、そんな労力や時間を使うくらいなら、自分の投資法をさらに煮詰めて良いものにしていき、事業で収入を得ようとするよりも、自分の資産を運用していく方がずっと楽だし、ずっと効果的です。

いろんな資産に分散して投資しましょう。

という言葉には、できる限り失敗しないことが重要視され、資産形成は2の次になっている可能性があると考えています。

資産保全でいいということであれば、いろんな資産に分散投資でいいと思うし、非常に効果的な手法だと思います。

しかし、資産形成をしたいと考えているのであれば、「リスクが少ない投資法ですよ」という甘い言葉には惑わされないようにしないといけないと思っています。

(関連記事:いろんな資産に分散投資する意味って?)

田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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