効率的市場仮説を知って、賢い資産運用?

最近の資産運用では、インデックスファンドが一番いいという風潮がありますが、なんでインデックスファンドがいいのでしょうか?

インデックスファンドが良いとされる理由には、効率的市場仮説という考え方があります。


効率的市場仮説とは?

株式市場や債券市場などには、それこそ数多くの人が参加しています。

他人から資金を預って運用することを仕事にしているプロの投資家や、投資からの収益のみで生活したり、資産を築いたりしている投資家。はたまた、普段はサラリーマンで、給料の一部で投資をしている個人投資家や、空いた時間に投資をしている専業主婦。

分単位や一日単位で取引しているデイトレーダーから、割安の資産を買い長期で保有するタイプの長期投資家などなど。

いろんな立場や、情報、知識を持った人。いろんな経験を積んできた歴戦の投資家や、始めて投資に触れた人。

そういった様々な人たちが集まっているところが株式市場や債券市場です。

こういった場所では、良い情報も、悪い情報もすべて市場に織り込まれているはずだという考え方が効率的市場仮説です。

よくあるたとえ話としては。

「多くの人が歩いている通りで、1万円札が落ちている。この1万円札を拾いますか?拾いませんか?」という質問があります。

この質問に対して、「当然拾います」と答えるか、「こんな人の多いところに1万円札が落ちているわけがない。もし本当に落ちていたとしたら、すでにだれかが拾ってしまっているはずだ」と答えるかということです。

効率的市場仮説の考え方は、後の「落ちているはずがない」という答えになります。

これは、ある意味真実であると言えます。

市場も、もし確実な儲け話があれば、だれかがすでに行動に移しているため、その儲け話を信じて取引してもうまくいくとは考えられない。ということになります。


株式市場は本当に効率的なのか?

効率的か効率的ではないかと言われれば効率的だと言えそうです。

その一例が、アクティブファンドとインデックスファンドを比べてみるとわかります。というのが効率的市場仮説を信じる人の話です。

アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる投資家がいろんな情報をもとに売買を繰り返す。言ってみれば儲け話を見つけて、市場で取引をするタイプです。

対してインデックスファンドは、とにかく市場にあるものはすべて買うといったイメージのもので、情報は関係ないというものです。

このアクティブファンドとインデックスファンドの長期間の成績を比べると、ほとんどのケースでインデックスファンドが上回っているという結果が出ます。

このことから、情報をもとに取引をするよりも、情報なんて考えずに市場全体を買った方が間違いない。

つまり、市場は効率的だという答えになっています。


伝説の投資家もインデックスファンドを推奨している。

株式投資で有名な人といえば、ウォーレン・バフェットです。

ウォーレン・バフェットは株式投資で、世界1,2を争うまでの資産を築き上げた人です。

そのウォーレン・バフェットが投資をするならば、インデックスファンド(S&P500という米国の株価指数に連動したETF(上場投資信託))へ投資をした方がいい。

と言っています。

そして、遺族への資産の残し方について、S&P500のETFを資産の90%、残りの10%を現金で保有するようにと言っているそうです。


それでも効率的市場仮説に対して疑問がある?

インデックスファンドを推奨しているウォーレン・バフェットですが、ウォーレン・バフェット自身は、インデックスファンドで世界1,2位の資産を築いたわけではありません。

思いっきりアクティブ運用です。

そのことを考えると、インデックスファンドと効率的市場仮説に対して疑問が残るのもわかります。

そこには、「効率的」という言葉の使い方に問題があるという話もあります。

「情報」という視点では、確かに市場は効率的なのだと思います。

例えば、株価は、景気判断をするための景気指標としては先行指数という景気より先に動く傾向にあるものだと考えられています。

これは、景気が悪くなりそうだと思った時は、投資家は、実際に景気が悪くなる前に株式を売るということをしているというわけですが。

個人で考えると、景気が悪くなるかどうかの判断はなかなかできることではありません。

しかし、いろんな人が参加している市場というのは、たくさんの脳が集まってできたスーパーコンピューターみたいなものであり、このスーパーコンピューターは未来さえも予知する能力があるということです。

市場というのは、それほどまでに情報を正確に処理する能力があるということです。

しかし、常に正しい価格を提示しているという意味での「効率」という使い方には疑問が残ります。

常に正しい価格を提示しているのであれば、市場にバブルなんてものは起こるはずがないですし、また極端に値下がりする暴落ということがたびたび起こるのも不思議な話です。

ウォーレン・バフェットの師匠と言われている、ベンジャミン・グレアムは、市場のことを「ミスターマーケット」と呼び、擬人化していました。

つまり、市場は人と同じように感情などの不確定要素も含んでいると考えていたと思われます。


市場はある程度効率的だが、時々間違える。

市場は効率的かと言われば、「効率的だと言えるが、間違える時もある」と答えるのが一番しっくりくるのかもしれません。

つまり、投資をするにあたって、効率的市場仮説を信じて単純にインデックスファンドを買うだけでなく、たまに市場が間違える時を狙って行動することも間違いではないと思っています。

ウォーレン・バフェットなどの伝説と言われるような投資家たちは、この市場の間違える時に大きなリスクをとって市場に参加してきたから人よりも多くの資産を市場で築いてきたのではないかと思っています。


市場が効率的ではない部分もあるとしたら?

効率的市場仮説について信じるか信じないかは、投資家個人が考えて選ぶしかないことです。

バフェットが推奨するように、効率的市場仮説を信じて、インデックスファンドを選択したほうのが間違いないのは確かだと思います。

でも、さらなるリターンを望むのであれば、効率的市場仮説を疑わなければいけないところも出てきます。

もし、効率的市場仮説が絶対ではないと考えるのであれば、アクティブ運用も取り入れた方がいいということになります。

しかし、アクティブ運用のほとんどがインデックス運用に負けているという事実から考えると、アクティブ運用は取り入れづらい話です。

しかし、アクティブ運用で負けていると言われているのは、投資信託の話です。

つまりアクティブ運用の投資信託を避ければいいのではないか?と考えることもできます。

例えば、投資信託を使わないアクティブ運用の例として。

① 自分で個別銘柄を選択したりしてアクティブ運用をする。

② インデックス運用にアクティブな部分も取り入れる。

などが考えられます。

①に関しては、アクティブ運用の投資信託がインデックス運用に勝てない大きな理由には運用コストの問題があります。つまり運用のコストを低くすることでインデックス運用に勝てるアクティブ運用になる可能性もあるかもしれません。

また、インデックス、例えば日経平均やTOPIXなどの中には、自分だったら買おうとは決して思わないのにと思うような銘柄が含まれていたりします(長いこと赤字続きや、収益性が悪いなど)。そういう銘柄を省いて自分なりのインデックスを作るつもりで投資をするという方法も考えられます。

②に関しては、インデックス運用を基本とするが、市場が間違いを犯す時、例えばバブルの時や暴落の時に、普段より積極的にインデックスファンドの売買を行うという方法が考えられます。

例えば、バブルだと思った時には、インデックスファンドを少し売ってみる。暴落した時には、インデックスファンドを買い増ししてみるなどです。


田仲 幹生

ⅭFP(ファイナンシャルプランナー)資格認定者、1級FP技能士、個人投資家

外資系の生命保険会社で営業を行い、後に税理士事務所に勤務、2016年から今までの経験を生かしながら、投資活動および資産形成を主な目的としたFP業を行っていきたいと思い独立。

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