クラウドファンディングは危険?「みんなのクレジット」が行政処分!!

3月24日、証券取引等監視委員会が、貸付型クラウドファンディングを行っている『みんなのクレジット』の第二種金融商品取引業者による不適切な業務運営に関し、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告をいたしました。

ついに出てきたかという感じです。

貸付型クラウドファンディング業者への行政処分と言えば、2015年に日本クラウド証券の『クラウドバンク』がありました。

その時の内容は、顧客の資産管理方法が不十分という内容で、システムの見直しと改善を目的とする業務改善命令でしたが、今回の『みんなのクレジット』への勧告内容は、財産の毀損にもつながる可能性もある、非常に厳しい内容となっています。

『株式会社みんなのクレジットに対する検査結果に基づく勧告について(証券取引等監視委員会)』

内容をざっくりとまとめると、「不適切なファンドの募集広告」「新規で募集したお金を、過去に募集したお金の償還に使っていた。いわゆるポンジスキーム」「ファンドで募集したお金を会社代表が私的利用するなどの、不適切な資金利用」「財務内容に問題があり、ファンド資金の返済ができなくなる可能性」といった感じです。

同じ行政処分でも、『クラウドバンク』とは比較にならない危険な感じを受けます。


みんなのクレジットってどんな感じだったの?

とにかく、他社のクラウドファンディング仲介会社が募集しているファンドと似たような案件であっても、みんなのクレジットの方が高い利回りを提供していたようです。

具体的には、ファンド募集の広告で14.5%という高い金利を見せ募集していた感じです。

さらに、広告に結構費用をかけていたイメージもありました。インターネットなどを開くと、みんなのクレジットの広告が頻繁に出てきたと感じています。

貸付型クラウドファンディング仲介会社は、募集したファンドで貸し付けた先からもらう利息と、投資した投資家へ支払う分配金の差額が収益になるビジネスモデルです。(正確には、募集したファンド総額の数%を手数料として受け取るといったもののようですが)

つまり、投資家へ高い分配金を提供するということは、それに対して1%~2%上乗せして貸し付けていると考えることができるわけです。

仮に年14.5%を投資家に支払うとしたら、貸付の金利は16%ぐらいになっていると想像することができます。

他のクラウドファンディングから借りれば10%前後で済むだろうと考えれば、少し高いのでは?と考えることができます。

それともし、事業を立上げて日が浅いので事業拡大のために、収益をある程度無視して運営しようと考え、貸付先からの利息のほとんどを投資家への分配金に回し、みんなのクレジットでは手数料をとらなかったと考えた場合でも、あれだけのネット広告を見る限り、広告費さえ賄えるのかどうかと疑問に思うところです。

そんなこともあってか、私は『みんなのクレジット』では口座を作りませんでした。結果論かもしれませんが、良かったと思いました。


今回の『みんなのクレジット』みたいなことにならないために。

今、貸付型クラウドファンディング業界は、急拡大が続いています。

新規の事業者がどんどん増え、投資資金もどんどん入ってきている状態です。前にも触れたかもしれませんが、こういう状態になってきたときが、一番危険な時です。

しっかりとした業者選定の目と、リスク管理の手法を知っておくことが重要だと思います。

業者選定の基準

①運用実績、運営年数、行政指導の過去、募集及び償還ファンドの数と金額など、当然実績が多い方が安心感があります。

②大手企業との関係。貸付型クラウドファンディングはまだ歴史が浅い業界です。日本で一番最古参の業者(マネオ)でも10年経つかどうかです。ただ、中には大手企業からの出資を受けていたり、大手企業が事業に関与していたりする事例もあります。そういう会社から選択するのも一つではないでしょうか。

③募集しているファンドの利回りが妥当かどうか。たくさんの新規参入が増えているということは、募集しているファンドがどの程度の期待利回りになるのかを他社の似たような募集案内を見ればなんとなくわかるようになったということもできます。異常な高利回りを謳っている場合には、なぜそうなるのかよく考えてみることです。

リスク管理の手法

①なんといっても分散投資。よくわからないところへ投資をするときには、必須の投資手法です。募集ファンドの分散だけでなく、貸付型クラウドファンディング業者の分散も行いたいところです。

②ある程度のリスクは常に考えておく。貸付型クラウドファンディングへの投資は、ほとんど元本毀損がありません。しかし、元本保証ではありません。今回の『みんなのクレジット』が今後どうなるかは、これからも貸付型クラウドファンディングへの投資をして行くにあたって非常に重要な意味を持つと考えています。もしかすると初めての元本毀損のケースとなる可能性だってあると思います。

貸付型クラウドファンディングが元本毀損の可能性が低いと思っても、有り金を全部投資するようなことは避けるべきかもしれません。


今回の件で気づいたこと。

人は、目の前にニンジンをぶら下げられると、取りたくなってしまう性分なのかもと思いました。そういうのを見て笑っている方かと思っていましたが、自分も目の前のニンジンを追いかけていた方だったのかもと感じました。

「待て」のできる犬が賢いのだとしたら、「待て」のできる人間も賢いってことですね。

確かに私は『みんなのクレジット』で口座を作ることはしなかったです。

しかし、あの利回りをしょっちゅう見せられたら(ネット広告)どうしても気になってしまうものです。

まさしくニンジンですね。危うく飛びつきそうなくらいでした。

目の前に餌を見せられて、「待て」をさせる。その犬を見て「賢いなぁ」なんて見ているわけですが、自分はちゃんと「待て」できますか?

実は無意識にできてないことが多いんだろうなと今回感じました。

まぁ、クラウドファンディングへ投資をしたことがない人が利回りを見ただけで、飛びつくようなことはないとは思いますが、すでにクラウドファンディングである程度納得のいく利益を手にした経験があると、「怪しいかも」と思いつつも、つい餌につられて引っかかることってあると思いました。

株式投資の世界にも「待つも相場」という格言があります。

「待つ」ということの難しさと大切さを改めて感じた次第です。

田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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