年金額が減額される!?マクロ経済スライドってなんだ?

年金の話って、とにかくややこしいですよね。なぜこんなに複雑な制度になってしまたのだろうといつも思います。

2018年4月に「マクロ経済スライドによる調整ルールの見直し」、2021年4月には「賃金・物価スライドの見直し」が行われるようです。

将来にわたって年金制度を維持していくためというのはわかりますが、またまたややこしい話になりそうです。


マクロ経済スライドっていったい何?

マクロ経済スライドとは、要は経済環境に合わせて年金支給額の調整をしますってことです。

目的としては、現役世代の保険料負担能力に合わせて年金支給額を調整することにあるようです。

年金支給の財源となる公的年金保険料は、現役世代の給与の額から計算されています。つまり、現役世代の賃金の上昇などを考慮しながら年金支給額を計算することで、徴収した年金保険料と支払う年金支給額の辻褄を合わせて無理のない制度になるようにしようという考えです。

そして、マクロ経済スライドとは、これから現役世代よりも高齢者の割合の方が増えていくことが想定されているため、現役世代の賃金上昇以下に年金支給額を抑えていかないと計算が合わなくなってしまうことを考え、導入されているものという感じです。

なにやらややこしくなってきました。まさに年金の話という感じです。

ざっくりと言ってしまえば、

①現役世代の賃金が上昇すれば、年金保険料もたくさん徴収できるようになるため、年金額も増やしますよ

②でも、現役世代よりも、年金をもらう高齢者の数の方が増え方が早いので、現役世代の賃金の上昇と同じ割合で増やすことはできません。つまり、現役世代の賃金上昇よりも年金の増加額は少なくなります。

といったことになります。

結論から言えば、年金額が今より増えることは期待しにくい環境が整ったという感じになるのでしょうか。

さらに言えば、今までデフレという経済環境でした。(今でも?)

つまり、物価は上がらない、賃金も上昇しない、むしろここ2,3年に関しては賃金の上昇もみられますが、長いこと平均賃金は下落していたぐらいです。

もし年金保険料率が変わらなければ、現役世代一人当たりの年金保険料は減少しているということになります。(実際は、年金保険料率は上昇しています。現役世代は賃金は減少し、年金保険料率は増えるというダブルパンチ状態(どんどん手取りが減る)だったわけですね。)

そうなると、本来ならば年金支給額は減らさないと、収支がおかしくなってくるということが想像できるわけですが、今まで減らすことをしていなかったというのが現状です。

2018年4月に行われる、マクロ経済スライドの見直しでは、その辺を考慮して。

物価の下落や賃金の下落に対する調整分(年金支給額の減少)を、将来に持ち越し、賃金や物価が上昇した時に、年金支給額の増加を抑制することができるようになります。

つまり、デフレの今受け取っている年金というのは、将来のインフレ時の年金の前払というイメージです。

う~ん。年金制度の話をしていると嫌な感じです。

とにかく複雑極まりなくて、ややこしい。聞いただけでも避けたくなる気分です。

さらにさらに、2021年4月の賃金・物価スライドの見直しがあるわけですが。

今までは、①物価が上昇、賃金下落は年金据え置き。②物価が下落、賃金が物価以上の下落をしたら、物価に合わせる。といったものでしたが。

②のケースでも賃金に合わせることになるようです。つまり、保険料の徴収能力に合わせるということですね。

マクロ経済スライドも賃金・物価スライドも、大雑把にとらえるなら、年金支給額は現役世代からの年金保険料の徴収能力により合わせたものにしようということになるのでしょうか?

一応、物価を考慮するような話にはなっていますが、もう目安は賃金と考えて良さそうな気がします。


公的な年金をあてにするよりも、自助努力ってことになるのかな?

年金を生活費として考えれば、受け取る方は物価の上昇に合わせてもらわないと、年金があてにできなくなってくる可能性もあるかもしれません。

しかし、年金の財源が現役世代の年金保険料である以上、賃金に合わせるようにしないと辻褄が合わなくなってしまうのは、当然と言えば当然です。

一応、理屈としては、物価の上昇と賃金の上昇は連動するものと言われています。

つまり、年金支給額の査定の対象が物価ではなく賃金になったとしても、インフレ(物価上昇)となれば、賃金も上昇しているから、それに合わせて年金支給額も上昇するはずということです。

しかし、年金にはマクロ経済スライドという制度があるため、賃金上昇率よりも年金支給額の増加は抑えられることになっているので、やはり生活費としての年金には不安が残ることになりますが。

年金支給額が賃金の伸びより抑えるようになっている⇒物価の上昇にとても追いつかない、ことになるかもしれないという意味です。

さらに言えば、景気が悪いまま物価が上昇するスタグフレーションとなってしまった場合を想像すると、ちょっと怖い気もします。

さらに、今の現役世代の年金はどうなるのか?

ここまでくると、全然見えてこない感じを受けます。

現役世代が年金を受け取るようになるためには、数十年後という場合になるかと思います。

マクロ経済スライドは、年金支給額の上昇「率」を抑える制度です。つまり物価を基準として考えても(実際は賃金がメインだが)物価上昇率よりも数%低い利率で上昇していくことになるということです。

複利で考えれると、たった1,2%が数十年にもなると、大きな差になってくることになります。

(複利を知らずに、投資はできない?)

これまでのようにデフレが長引いたり、インフレとデフレを繰り返しているのならまだいいですが、長期のインフレに入った場合には、年金を受け取れるようになった時には、使い物にならない年金額になっている可能性だってあるかもしれません。

やはり、現役世代は自分の年金は自分で確保する自助努力をする必要があるということでしょう。

イデコなどの年金制度も、結局のところは政府としても、現役世代にとって今の公的年金制度ではどこまで保障できるのか不安があるため、用意したものということなのかもしれません。


悪いことを想像するよりも、今できることを。

結局のところ、今の年金制度を見ると、やはり安心できるといった感じではないようです。

そもそも、年金制度がこれほど複雑化してしまったのも、うまくいかない部分をあれこれいじりすぎた結果なのではないかと思えてきます。

上手くいかないことが、たくさん出てきた時点で、年金制度自体がだめだったと考え、早い段階で大きく作り直した方が良かったのかもしれませんが、もうすでに保険料を長年納めてきた人やすでに受け取っている人などのことを考えると簡単な話ではなくなってしまったのかもしれないですね。

個人的には、欧州で導入されているベーシックインカムはどうなのだろうと思うところもあります。複雑な年金制度もいらなくなると思うから管理費等に係る費用も削減できるだろうし、一緒に生活保護などの問題も解決しそうだし。

まぁ導入しようとしても、いろんな問題がありそうなので実現はほぼ不可能に近い気もしますが。

とりあえず、年金制度の問題点が具体的に見えてくることでわかることは、結局自助努力ということなのかもしれません。

年金制度の問題点をどうこう議論しても、年金額が増えるわけでもないので、問題があると思うのであれば、今できることを少しずつでも取り組んでいくことが大切なのかもしれません。

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