プライベートバンカー 驚異の資産運用砲(杉山 智一)

プライベートバンカーって何者だ?って思いますか。

正直あまり聞きなれない言葉じゃないでしょうか?

プライベートバンカーとは、ざっくり言えば、富裕層専門の資産管理をするサービスを行っている人たちのことです。

以前ピクテという老舗のプライベートバンカーの資産運用の話を題材にした「211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー」という本を読んだことがありますが、プライベートバンカーは、資産を増やすための運用を行うというよりも、『資産を守る』を重視した運用を行っているというイメージでした。

ですが、本書のタイトルには、『元本5000万円で毎年500万円のリターン』と書いてあります。

ピクテの本とはまた違う内容なのかなと思って手に取ったのがきっかけでした。

本書の中でキーワードと思ったのは、『レバレッジ』という言葉です。

要は、金融資産を担保に資金を融資してもらい、その融資を受けたお金をさらに投資することで、リターンを上げるということです。

『レバレッジ』が使えれば、年利10%はそう難しいことじゃないじゃないかと思いますよね。

事実そう感じます。例えばソーシャルレンディングサービスを利用しても、年利10%は十分に可能です。そこにさらに『レバレッジ』が使えれば、もっとリターンは上がるだろうというのは、簡単に想像がつきます。

ですが、この本で指摘しているように、日本という国ではそれが基本的に無理な環境だということです。

なぜなら、日本では金融商品を担保としてみて融資を行う金融機関がほとんどないということがあげられます。

日本にいると当たり前の話なのですが、正直以前から不思議に思っているところでした。

そしてこの本を読むとさらにその不可思議さを感じさせられます。

当たり前の話ですが、金融商品は立派な資産です。その価値は法令でも認められているし、証券取引所も整備されているので、すぐ現金化することもでき、価格が大幅に下落するリスクはありますが、ある程度それを見越した担保価値で融資すればお金が返ってこない心配もほとんどないはずです。

日本で融資を受けるにあたり担保としてよく使われている不動産よりも、よっぽど安心感がある資産のようにも感じます。

それなのになぜが、金融資産はギャンブル程度にしか思っていない?不思議で仕方がありません。

本書の中にもでてくる話ですが、日本の富裕層の資産は不動産の割合がものすごく大きくなっています。もしかするとこのような資産割合になってしまっているのは、こういう裏事情もあるのかもしれませんね。

この本で、プライベートバンカーというより著者考えるの資産運用の手法が紹介されていますが、一般消費者には参考にならない、というより無理な手法です。

この本で学ぶ話は、日本という国のファイナンスに対する考え方や規制の問題、リテラシーの低さなどといったことを知るというところにあるのかなと思います。

田仲幹生

投資会社、FP会社 ㈱あせっとびるだーず 代表取締役

投資、資産運用のスクールを運営。
資産運用、ファイナンシャルプランニングの相談などを行う独立系のファイナンシャルプランナー。

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