仮想通貨取引所のビットフライヤーが行政処分を受けました。
今回行政処分を受けた仮想通貨取引所は、ビットフライヤーの他に、ビットポイントジャパン・QUIINE・ビットバンク・BTCボックス・テックビューロとなっています。
ビットフライヤーが受けた行政処分は、業務改善命令となっています。
特に注目されているのが、マネーロンダリング対策が不十分という説明ですが、実際には他にも、8つの項目で改善命令が出ています。
最近、フィンテックに関する事業者に行政処分が行われる話が増えている気がします。
例えば、仮想通貨関連以外だと、クラウドファンディング業者の行政処分も増えています。
今回のビットフライヤーの業務改善命令の中で気になったのが、「利用者財産の分別管理態勢及び帳簿書類の管理態勢の構築」という部分です。
顧客からお金を預かる事業を行っているところは、分別管理というものが求められています。
分別管理とは、事業者の資産と顧客の資産を分別して管理するという事です。
例えば、顧客の資産を預かっている事業者が倒産などの事態になっても、顧客の資産はその倒産の影響を直接受けないようにするための仕組みです。
銀行や証券会社、FX事業者などはその分別管理を行っています。クラウドファンディグでもその分別管理の徹底を要求されていて、以前クラウドバンクというソーシャルレンディング業者は、その分別管理に問題が発覚し、ビットフライヤーと同じ業務改善命令を受けたことがあります。
そんなこともあり、クラウドファンディング業者の中には、預託金口座を廃止し、現金として顧客からお金を預からないようにしている業者もあります。
例えば、SBIソーシャルレンディングやトラストレンディングがそのような対応をしています。
今後のソーシャルレンディング業界を取り巻く環境としては、その預託金口座をできるだけ廃止させようという動きがあるという話も嘘かホントかはわかりませんが、聞いたこともあります。
仮想通貨取引所も、顧客から現金を預かるという事をしているため、分別管理は必ず行ってもらわないと、その取引所に口座を持つものとしては信用出来なくなってしまう問題です。
ましてや仮想通貨はクラウドファンディングと違って、資産の形が有価証券ではなく、ほぼ現金のような仮想通貨ですから、ビットフライヤーのような取引所大手が、分別管理を徹底していないというのは、あまりにも残念な感じがします。
顧客の資産を管理するというノウハウを持っている銀行や証券会社などが中心にフィンテック事業を行っているような業者でないと、簡単に口座を作るというのはできなくなってくるかもしれませんね。
フィンテックは、ネットを介してお金の融通ができるという点で、比較的事業者として参加しやすいのかもしれません。しかしそこには、事業者が顧客の資産をきちんと管理できるかどうかという視点が今まで以上に重要になってくるという事がよくわかるニュースです。
今まで、銀行や証券会社といったほぼ確実に顧客の資産を守る仕組みがあるところに資産を預けることに慣れてきてしまった私たちは、お金を預ける先の選定というところに目が向かなくなってきているのかもしれません。
フィンテックが広がるにつれて、コインチェックのようは大きな不正を起こさないために、金融庁はフィンテック分野への監視を強化しているような印象も受けます。
監視が強化されることによって、フィンテック業界の拡大に何かしらマイナスとなる可能性も否定できませんが、これは今必要な動きなのかもしれないですね。
ただ、規制や監視が過剰にならないことを願ってはいますが。
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